モーニング・サービスとは、朝の勤労奉仕というような意味ではなく、日本の「喫茶店」と呼ばれるカフェで主に出される朝食メニューのことである。もちろん和製英語であり、「モーニング」だけでも通じる場合がある。「サービス」は日本では、無料や無料に近い安価で提供される労働や商品のことをいい、「モーニング・サービス」も、要するに特別価格の朝食メニューのことであり、ムリに英語で言えばbreakfast specialとでもなるかと思われる。この特別メニューは、トーストにゆで卵、サラダ程度の簡単な食事(名古屋周辺ではどえりゃあ濃厚なサービスが受けられると聞く)がコーヒーなどの飲み物に添えられて提供されるもので、店によって値段設定は違うが、通常のコーヒー一杯の値段で食事が付く店もある。利用者は主に出勤前のサラリーマン。いくら安く食べられるからといって、トーストにゆで卵くらいなら家で食べてくればよさそうなものだが、よほど家庭の事情が許さないのか、いやな会社に出勤する覚悟を決める儀式ででもあるのか、喫茶店全般の衰退傾向にも関わらずモーニング市場は安定している。(CAS)