この辞典の使い方「め」で始まる言葉>目には目を歯には歯をの意味

カテゴリー:ことわざ、故事成語、名言、名句

目には目を、歯には歯を

めにはめをはにははを

 目には目を、歯には歯をとは、古代バビロニアの『ハンムラビ法典』に見られるあまりに有名な一節で、目を潰されたら相手の目を潰し、歯を抜かれたら相手の歯を抜くべきだという、応報の思想を端的に表現したもの。「目には目を歯には歯を」の考え方は、犯した犯罪と同等の刑罰を与えるという応報刑論の原典ともなっているが、現代では、今後の犯罪の発生を防ぐために、更正の余地がある犯罪者には手心を加えるという目的論的な刑罰の考え方が主流となっており、おかげで、泥酔して車を暴走させ五人ひき殺してしまったというようなやつも、道路上に縛られて車で五度ひかれるというような刑罰を受けずに済んでいる。(CAS)

 

<ご意見への返信>

 当辞典の訪問者Aさんより「目には目を歯には歯をの項目の意味が間違っています。日本の同害報復、同害復讐(目をつぶされたら相手の目をつぶせ、という報復のしかた)の使い方は誤用です。ハンムラビ法典の正しい訳は目には目まで歯には歯までという過剰な報復を防ぐためのものです」というご指摘をいただきました。この法典が「過剰な報復を防ぐためのもの」であるというのはまったく正しい考え方です。なぜなら、法律というのはそもそも「ぶんなぐられたから、あの野郎ぶっ殺してやる」というような、私的な制裁や過剰な報復を防ぐために定められたものだからです。また、ハンムラビ法典における「目には目を歯には歯を」という項目が「同害報復、同害復讐」を意味するものではないという考え方も正しいといえるでしょう。「報復、復讐」という言葉は私的リンチのニュアンスを含むので法律として条文化されたこの項目を意味するには適切ではありません。「目には目を」は「応報刑」ととらえるべきで、当辞典でもその用語を使っています。また、ご指摘には直接書かれていませんが、「目には目を」があまりに有名であるため、ハンムラビ法典全体が応報刑を記した法典であると考える人がいますが、これは誤りです。この法典には、「強盗をして捕まったら死刑」というような、現在の価値観からみれば「やりすぎだろう」みたいな極刑もある一方、目をつぶされたとしても相手が賤民や奴隷だったら罰金で解決するといった、身分制度による刑の軽減も見られます。しかし、「目には目を」という条文そのものが抜き出されて、後世の研究者によって「応報刑論」の思想を示す代表的な言葉であるとされるにいたったのは事実であり、その言葉が私的な「報復、復讐」を意味しているとか、ハンムラビ法典全体の思想であるととらえなければ、誤った使い方とはいえないでしょう。

目には目を、歯には歯を ついでにこんな言葉もチェックすべし

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