ヌーボー

ぬーぼー

 ヌーボーは、新しいという意味のフランス語nouveauの日本語読みで、19世紀末の芸術様式であるアール・ヌーボー(art nouveau)とともに日本に紹介された言葉かと思われる。しかし日本では、音の響きに興味をもたれて、ぬうっとしてぼうっとしたつかみどころない様子、そのような人をさす俗語として主に用いられていた。アール・ヌーボーをはじめとする新しい芸術も庶民にとってはつかみどころないものだったので、「いまふうのつかみどころのないやつ」といった意味合いを含んでいたと考えられる。『大言海』(昭和五十年 第五十版)に謎のような解説が記されているので、そのまま紹介しておく。「同ジ太サノ線ニテ描キ、輪郭ナドヲ隈取リタルモノ。単調ニシテ情味ニ乏シキモ、何トナク素朴ニシテ、温蔭ノ感アリ。故ニ、転ジテ、輪郭ガ大まかニ漠トシテ、不得要領ナレドモ、何トナク面白ク感ゼラルル人物ノ動作ナドヲ云フ」。これこそ「ヌーボー解説」である。

 近年では、ボジョレー・ヌーボーの人気により、「ヌーボー」という言葉も正しい意味で(つまり、面白みのない意味で)理解されているようである。(CAS)

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