カテゴリー:慣用語、擬声語、擬態語
生暖かいの「生(なま)」はここでは「中途半端に」という意味、したがって、「生暖かい」は「中途半端に暖かい」ということで、ナイフで刺されて流れてくる血や、殺されて間もない死体や、いましがた逃走したばかりの殺人犯の布団の中などの温度表現に用いられる言葉である(不適切な用例をご容赦ください)。
日本の怪談話では、夜間幽霊が出てくるとき、「生暖かい風」がどこからともなく漂ってくるのが定番である。相手は死人であるから「冷たい風」が妥当ではないかとも思われるが、「生暖か」さがあることで、中途半端な生き物的な不気味さをかもしだすために適しているのではないかと思われる。(CAS)