説教

せっきょう

 説教とは、目上の者が目下の者に対して、ためになる教訓などを、相手が聞きたくなくなるような調子で語ることをいう。もとは仏教でお経の内容を説き聞かせることをいった「説経」から来ている。本格的な説経は退屈さも本格的だったので、これでは庶民に教えが広がらないと感じた仏教の関係者が、大衆受けするたとえ話をまじえておもしろおかしく語ったのが「説教」。つまり、やっていることはこの辞典みたいなものである(注:当辞典は読者の皆さまを怪しげな信仰の世界に導こうという意図はありません)。

 説教はすでに平安時代には盛んだったようで、当時のエッセイスト清少納言は、名著『枕草子』に、「説経師(=説教師)はお顔がキレイなのに限る。うっとり見つめちゃうので、お話しの尊さもよくわかるしね」みたいなアイドルの追っかけ顔負けの文章を残している。その後説教師による説教は、寺院から独立し、音楽や踊り、操り人形の芝居なども加えた興業として発展した。現代、会社の上司や教師によって語られる退屈な説教は、原形となった「説経」本来の姿を伝える貴重な文化遺産といえよう。(CAS)

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