カテゴリー:食文化、料理、食品、食材
寿司は日本料理を代表するファストフードである。注文すればほんの数秒で作ってもらえるので世界で一番ファスト(fast)なファストフードだが、製作時間当たりの料金の高さという点でも世界一ではないかと思われる。いわば、乗っている時間が短いのに料金が高い新幹線のような食品である。
寿司の作り方はサンドイッチより簡単で、不器用な外国人でも2、3日も練習すれば、それらしい形はつくれるようになる。しかし、1貫(1個)1000円を超える寿司を握るようになるには、「職人」と呼ばれる料理人が、何年も修行を積まなければならないとされる。寿司の値段はたいてい使用している材料の値段によるものだが、高い材料を使って寿司を作るにはそれなりの技術のレベルが必要だと考えられているのだ。確かに、高級寿司職人と外国人アルバイトの技術の差は歴然としているが、残念ながらその違いを食べ分けられる人は少なく、多くは職人の時給も含まれた食後の請求書を見てその差を認識することになる。(CAS)