1. 1月のこと。1年の始まり、という謳い文句に踊らされて、分不相応な目標を掲げる月。同時に、それが分不相応であることに気づいて、掲げた目標を降ろす月でもある。
2. 1月の初頭に祝われるおまつりのこと。伝統的な祭りではあるものの、現在では「年の初め」というごく単純な理由のみで祝われるため、信仰の有無や宗旨に関係なく参加できる、いわば参加資格不問、入会金・年会費フリーのクラブのような気楽な祝祭期間。古い祝祭につきもののしちめんどくさい儀式やきめごとは簡素化、形式化され、年末に作り貯めした料理をつまみながら酒を呑んでごろごろしているというのが祭りの基本的なスタイルであることから、ものぐさな日本人には最も人気の高い行事となっている。最短でも1月1日から3日まで、怠け者は7日頃まで、「正月」という名目で休暇を楽しむ。(もっとひどい最近の怠け者は、休日をずらして海外旅行に行ったりする)
古くは、お盆(盆、盂蘭盆)と同じく先祖の霊を祀る厳粛な祭りであったようだが、いつしか、新しい年を担当する神様を門前の松や竹の飾り物を案内板にして招待し、大きな餅などを供えてご機嫌をとりつつ、その年の農作物の豊作や家庭の幸福をおねだりするというのんきなお祭りとなり、そうした本質的な意味も忘れられて現在にいたっている。(CAS)