先(さき)とは、前方に突き出ている部分、先端といった意味で、そこから前方、行列などの前の方、行く手、訪問する相手など、前の方にあるものや進む方向のイメージでとらえられるものごとに用いられる。
「先」は時間的な前後関係も表すが、時間の場合、自分の前にある時間ととらえれば「将来」であり、「先のことはわからない」「老い先短い」「先の総理大臣」などと用いられるが、時間を過去→現在→未来と並べた場合、前の方にあるのは「過去」なので、「先ごろ」「先ほど」「さっき(先)」などと過去を表す場合にも用いられ、日本語の筋が通っているようでその実まったくちゃらんぽらんな実情を象徴する言葉である。(CAS)