押っ取り刀

おっとりがたな

 押っ取り刀とは、緊急の用事を知らされた昔の武士が、刀を腰に差す余裕もなくわしづかみにして飛び出していくさまを言い、日本で最も有名な仇討ちストーリー『忠臣蔵』の一挿話である「高田馬場の決闘」で使用されたことから人口に膾炙するようになった言葉である。現代でいえば、朝早く事件の連絡でたたきおこされた刑事が、身支度もそこそこにバッジと拳銃をひっつかんで(あ、アメリカの話です)、家を飛び出すというような、テレビドラマにありがちなシーンを連想させる例えである。いずれにしても「押っ取り刀」は、使命に燃えたり、仕事熱心な人の行動についていう表現であり、朝寝坊して電話でたたき起こされ、あわてて家を飛び出す間抜けなやつには決して用いられない。

 なお「押っ取り」とは、急いでつかみ取るという意味だが、のんびりした癒し系の性格をあらわす「おっとり」の意味に誤認されることがある。その解釈でいくと「押っ取り刀」は、緊急の連絡を受けているのに余裕をこいて、ゆっくり朝食を済ませたうえに朝風呂でもあびてのんびり現場にでかけていく様子を言い表すことになるが、本来の意味での「押っ取り刀」もあまりに時代がかっているため現代ではほとんど使用されないので、採用試験で出題されたさいに間違えさえしなければ、どんなふうに覚えていたとしても日常生活にはたいした支障はない。(CAS)

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